ボタニカルシャンプーが流行する理由は?BOTANISTユーザーを徹底分析
オーガニック食品や自然派化粧品は、健康や美容に関心を持つ人に支持されており、今や「オーガニック」は1つの大きなマーケットとなっています。
そして、昨今流行し始めたのが「ボタニカルテイスト」です。「ボタニカル」は植物由来を意味していて、花や植物の柄を取り入れたファッションや、グリーンを多く取り入れたインテリアなどが人気を集めています。
中でも、ボタニカルシャンプーとして2015年に発売された「BOTANIST(ボタニスト)」は、天然植物由来成分をコンセプトとしたブランドイメージで、シンプル・おしゃれで写真映えするパッケージ、有名人によるSNS拡散などによって世間から関心を集めた商品です。
今回は、2016年12月に実施したブランドデータバンク第24期調査回答者(マクロミルモニタ)の中から、よく購入するシャンプーの設問で「BOTANIST(ボタニスト) / I-ne」と回答した男女を抽出。(有効回収数:31027ss)
BOTANISTユーザーの価値観やライフスタイル、嗜好性などから特徴を洗い出し、ボタニカルシャンプーが流行する理由を分析しました。
- BOTANISTユーザーは女性が7割以上。未婚の実家暮らし、または小さな子供がいる既婚者が多い
- 美容やメイクに関心があり、情報収集にも積極的
- 無添加、無香料のスキンケアアイテム、植物由来の美容食品を購入
- メイクアップアイテムは口コミ評価が高いブランドや海外の有名ブランドを選ぶ
- 流行やトレンドに敏感で海外ブランド好き。熱しやすく冷めやすい一面も
- 自分を着飾ることを重視し、人から羨まれたい願望もある
- 口コミサイト、SNSなど第三者が発信する情報を信頼
- 趣味は、「ショッピング」や「グルメ」、「カラオケ」など消費・体験型の娯楽を好む
- ファッション関連商品やDVD・ブルーレイはレンタル派
- インテリア雑貨はトレンド感のあるものを手頃な価格で購入
- まとめ
BOTANISTユーザーは女性が7割以上。未婚の実家暮らし、または小さな子供がいる既婚者が多い
まずは、BOTANISTユーザーの属性データを見てみましょう。
BOTANISTユーザーは、女性の割合が71.7%で全体と比較して20ポイント以上高くなっています。平均年齢は、全体が43.2歳に対して35.1歳です。20代、30代を合わせると6割を超えており、BOTANISTユーザーは比較的若い女性で構成されています。
また、職業は全体と比較して「学生」、「専業主婦/主夫」の割合が高く、有子者に末子の年齢を尋ねたところ、「3歳未満」と回答した割合が特に高くなっていました。これらのことから、BOTANISTユーザーは未婚の実家暮らし、または小さな子供のいる人が多いことが分かります。
●一番下の子供の年齢
ベース:世帯の家族構成の設問で「子供」と回答した人美容やメイクに関心があり、情報収集にも積極的
美容やメイクに関する価値観を尋ねたところ、BOTANISTユーザーは、全体と比較して「美容についてのケアや取り組みが楽しい」、「メイクアップが好き」、「いくつになってもおしゃれを楽しみたい」といった割合が高く、美容やメイクに関心が高いことが分かりました。
さらに、「美容体操や美容マッサージを実践している」、「メイクアップの情報収集を積極的にしている」などの割合も高く、美しさを保つための努力を惜しまず、美容に関する情報にいつもアンテナを張っていることが窺えます。
●美容やメイクに関する価値観_01
ベース:女性全体●美容やメイクに関する価値観_02
ベース:女性全体では、BOTANISTユーザーは、実際にどのようなアイテムを所有し、どんなものを購入しているのでしょうか?
無添加、無香料のスキンケアアイテム、植物由来の美容食品を購入
BOTANISTユーザーが持っている化粧水は、「無印良品/敏感肌」、「P&G/SK-Ⅱ」、「アルビオン/スキンコンディショナー」、「RMK」などが多く挙がりました。価格帯はさまざまですが、それぞれ無添加、無香料、植物由来の成分配合の商品が目立ちます。
●持っている化粧水
ベース:女性全体さらに、よく購入する健康補助食品を尋ねたところ「GRANORA BARシリーズ/トップバリュ」、「CHIA SEED JELLY /トップバリュ」、「HAPPYデーツ/UHA味覚糖」といった商品が挙がりました。
BOTANISTユーザーは健康補助食品を頻繁に購入し、中でもチアシードやデーツなどの植物由来の美容食品を積極的に摂取しており、健康や美容に気を配っていることが分かります。
●よく購入している健康補助食品
ベース:全体メイクアップアイテムは口コミ評価が高いブランドや海外の有名ブランドを選ぶ
BOTANISTユーザーが持っているファンデーションは、ミネラルコスメと呼ばれる自然派コスメブランド「エトヴォス」や、国産ナチュラルコスメ「24h cosme」などが挙がりました。
また、口コミサイトで評価の高い「RMK」、「マキアージュ/資生堂」や、海外の有名ブランド「シャネル」、「クリスチャン・ディオール」も挙がっています。
●持っているファンデーション
ベース:女性全体BOTANISTユーザーは、植物由来のアイテムを選ぶなど成分にこだわりを見せるだけでなく、口コミで評判の良いアイテムや、海外ブランドの製品も所有しているようです。
流行やトレンドに敏感で海外ブランド好き。熱しやすく冷めやすい一面も
美容やメイクに関心があり、積極的に情報収集するBOTANISTユーザー。ここで、価値観に関するデータを全体と比較してみましょう。
パーソナリティ価値観の設問では、「流行やトレンドに敏感な方だ」の割合が全体より15.8ポイント高く、「国産よりも、海外のものに憧れる」、「ブランドものを持つのが好きだ」などの割合も高い結果となりました。
また、「自分は熱しやすく冷めやすいタイプだと思う」の割合は全体より10.3ポイント高くなっています。
●パーソナリティ価値観_01
ベース:全体●パーソナリティ価値観_02
ベース:全体購読しているファッション・ライフスタイル誌を尋ねたところ、「BAILA / 集英社」、「an・an / マガジンハウス」、「and GIRL / エムオン・エンタテインメント」、「ar / 主婦と生活社」、「CLASSY. / 光文社」などが挙がりました。
働く20~30代女性向けのファッション誌を購読していることからも、自分と同じ世代の流行やトレンドを常に意識していることが分かります。
●購読しているファッション・ライフスタイル誌(女性誌)
ベース:全体自分を着飾ることを重視し、人から羨まれたい願望もある
生き方価値観の設問では、「他人が羨むようなものを一つでも多く手に入れたいと思う」が全体より11.9ポイント高く、「自分を着飾ることは生活の上で重要だ」も16.5ポイント高いスコアになりました。
●生き方価値観
ベース:全体口コミサイト、SNSなど第三者が発信する情報を信頼
メディアに関してどのような情報を信頼し、頻繁に接触しているかを尋ねた設問では、BOTANISTユーザーはモバイルサイトへの接触・信頼度が高いことが分かりました。
「SNS」、「口コミサイト」、「twitterなどのミニブログ」などのスコアが特に高く、第三者が発信する情報を積極的にチェックしているようです。
●メディア価値観(モバイル)
ベース:全体また、普段利用しているアプリは美容やファッショントレンドに特化したものが多く、「4meee!(フォーミー)」、「by.s(バイエス)」、「MERY(メリー)」などのキュレーションアプリが多く挙がりました。
BOTANISTユーザーはスマホを活用して最新の情報を集め、トレンドを追いかけている様子が窺えます。
●普段情報入手の手段として利用しているアプリ
ベース:全体趣味は、「ショッピング」や「グルメ」、「カラオケ」など消費・体験型の娯楽を好む
美容に対して高いアンテナを張り、トレンドへの関心も高いBOTANISTユーザーですが、普段はどんなことにお金を使っているのでしょうか。
趣味の設問では、全体と比較して「ショッピング」が12.3ポイント、「グルメ」が9.9ポイント、「カラオケ」が5.3ポイント高いスコアとなりました。
●趣味
ベース:全体年間に使用する平均金額を尋ねたところ、「音楽ライブ・フェスティバル関連イベント」が20,067円で、全体よりも1,688円高い金額です。
●1年間の行動に使用する平均金額
ベース:1ヶ月に1回以上行動している人BOTANISTユーザーは消費・体験型の娯楽を好み、音楽フェスなど思い出に残るイベントにお金を使う傾向があることが分かりました。
ファッション関連商品やDVD・ブルーレイはレンタル派
さらに、1ヶ月の行動に使用する平均金額を尋ねました。 BOTANISTユーザーは「ファッション関連商品のレンタル」が14,550円で、全体と比較して8,011円高くなっています。逆に、「店頭でのファッション関連商品の購入」はほとんど差がありません。
「DVDやブルーレイのレンタル」も3,739円で、全体よりも1,683円高くなっています。
BOTANISTユーザーは、次から次に出てくるトレンドアイテムや高価なブランドアイテムをレンタルで気軽に試していることが分かります。
購入して自分のものにすることには固執せず、他人から羨ましがられるものを身につけたい、体験したいと思っているようです。
●1ヶ月の行動に使用する平均金額
ベース:1ヶ月に1回以上行動している人インテリア雑貨はトレンド感のあるものを手頃な価格で購入
よく利用する均一ショップや雑貨店を尋ねたところ、「3COINS」、「CouCou」、「NATURAL KITCHEN」などが挙がりました。手頃な値段で、おしゃれなファッションアイテムやインテリア雑貨を購入できるお店を好む傾向があります。
●よく利用している均一・雑貨・インテリアショップ
ベース:全体まとめ
BOTANISTユーザーは美容に対しての興味・関心が高く、配合されている成分までを意識して化粧品などを選んでいます。
周りと違うものを持ちたい、人から羨まれたいという気持ちが強く、ブランド物や海外のもの、先進的なものなどに惹かれる傾向があることが価値観データから分析できました。しかし、実際には高価なブランドアイテムではなく、手の届きやすい価格帯のトレンドを押さえたアイテムを購入しているようです。
消費に対して積極的なBOTANISTユーザーですが、熱しやすく冷めやすい傾向があるため、興味の対象が移り変わりやすいといえます。欲しい物が次々に増えて、衝動買いしがちなのかもしれません。
BOTANISTシャンプーは口コミで話題になり、有名人などのSNSでの宣伝も人気に火をつけました。「ノンシリコン」の次の流行としてユーザー層に支持され、さらには夏限定のシリーズを発売するなど話題には事欠きません。
こうした販売戦略が、まさにトレンドを追いかけるBOTANISTユーザーの心をつかんだのでしょう。
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