電気自動車、プラグインハイブリッド車を選ぶ人の特徴は?自動車購入検討者を比較分析
地球温暖化対策として登場した車種、『電気自動車(EV車)』と『プラグインハイブリッド車(PHV車)』。近年、海外だけでなく国内でも需要が高まり、各自動車メーカーからさまざまな電気自動車、プラグインハイブリッド車が発表されています。
電気自動車、プラグインハイブリッド車は、一般的に「エコカー」とも呼ばれています。エコカーは二酸化炭素を排出しない、もしくは排出量が少ないため、燃費がよく環境に優しい点が特徴として挙げられます。
自動車を購入する際の判断基準はブランドや車種、車体価格、燃費のよさなどさまざまですが、電気自動車、プラグインハイブリッド車の購入を検討する人は、何を重視しているのでしょうか?
また、ガソリンエンジン車を検討する人とはどのように視点が違うのでしょうか?
今回は、2017年6月に実施したブランドデータバンク第25期調査回答者(マクロミルモニタ)に対し、2018年2月に「生活に関するアンケート」を実施(有効回収数:10082ss)。
直近3年以内に自動車購入を予定・検討している人の中から、「EV/PHV車購入検討者」、「ガソリンエンジン車購入検討者」を抽出し、それぞれのグループと自動車購入検討者(直近3年以内に自動車購入を予定・検討している人全体)を比較した分析結果をお伝えします。
比較対象:自動車購入検討者(n=1680)
分析対象:①EV/PHV車購入検討者(n=216) / ②ガソリンエンジン車購入検討者(n=812)
EV/PHV車の購入を検討する理由は「燃費がよいから」
まず、「購入を検討したいと思うようになった理由」を尋ねました。 EV/PHV車購入検討者は「燃費がよいから」と回答した人の割合が62.5%で最も多く、続いて、「先進的な技術が使われているから」が38.4%、「環境保全を意識しているので」が34.7%という結果でした。
ガソリンエンジン車購入検討者は、「実際に走っている車をみてかっこいいと思ったから」と回答した人の割合が20.7%でした。
これらのデータから、EV/PHV車購入検討者は、「燃費のよさ」を一番のメリットとして考え、購入を検討していることが分かります。
●購入を検討したいと思うようになった理由(プラグインハイブリッド車(PHV / PHEV) & 電気自動車(EV))
ベース:EV/PHV車購入検討者(n=216)●購入を検討したいと思うようになった理由(ガソリンエンジン車)
ベース:ガソリンエンジン車購入検討者(n=812)EV/PHV車購入検討者は流行やトレンドに敏感で、先進性の高いものが好き
EV/PHV車購入検討者は燃費のよさを重視していることが分かりましたが、ランニングコストを抑えたいなどといった堅実な考えも併せ持つのでしょうか?
ここから、価値観のデータを分析してみましょう。
「新商品が出ると情報をチェックせずにはいられない」と回答したEV/PHV車購入検討者は38.0%で、自動車購入検討者よりも11.9ポイント高く、「次から次へと欲しいものが出てきて困る」も8.8ポイント高くなっています。
また、「周りの人とは違うものを持ちたいと思っている」も41.2%で、自動車購入検討者よりも7.8ポイント高い結果になりました。
一方で、ガソリンエンジン車購入検討者は、「自分が気に入れば、ブランドや評判は気にならない方だと思う」と回答した人の割合が55.0%で、自動車購入検討者よりも2.3ポイント高いスコアです。また、「友人たちと何かをするときは、誘うことより誘われることの方が多い」は、回答者の割合が4割を超えていました。
消費に関して、EV/PHV車購入検討者は目新しいものに興味を持つ傾向がありますが、ガソリンエンジン車購入検討者はEV/PHV車購入検討者とは逆に受動的で、安定を求めることがこのデータから分かりました。
●消費価値観
ベース:自動車購入検討者(n=1680)さらに、パーソナリティ価値観の結果もみてみましょう。
EV/PHV車購入検討者は「流行やトレンドに敏感な方だ」が自動車購入検討者と比較して15.5ポイント高いスコアです。
「先進性の高いものに惹かれる」と回答した人の割合は、自動車購入検討者に対してEV/PHV車購入検討者が17.0ポイント高く、ガソリンエンジン車購入検討者が3.6ポイント低い結果になりました。
消費に対して堅実で安定した考えを持つのはガソリンエンジン車購入検討者で、EV/PHV車購入検討者はトレンドに敏感で、新しいものの情報を積極的に収集する傾向があることが分かります。
●パーソナリティ価値観
ベース:自動車購入検討者(n=1680)ガソリンエンジン車購入検討者は環境問題への関心が自動車購入検討者より低い
さらに、生き方に関する価値観のデータも合わせてご紹介します。
EV/PHV車購入検討者は、「環境問題への関心を強く持っている」と回答した人の割合が48.1%で、自動車購入検討者のスコアに対して15.9ポイントも高い結果となりました。 対して、ガソリンエンジン車購入検討者は27.6%と自動車購入検討者よりも5ポイント程低く、環境への関心がやや薄いことが分かります。
また、「海外で働いたり、生活することに関心を持っている」と回答したEV/PHV車購入検討者は37.5%と、環境問題と合わせて海外への意識が高く、視野を広く持っている人たちだと分析できます。
電気自動車(EV車)、プラグインハイブリッド車(PHV車)は各自動車メーカーから新しい技術を搭載した車種が登場していて、「エコカー」として環境への配慮を全面的に打ち出しています。
EV/PHV車購入検討者は先進性の高いものを好む上に、環境汚染や地球温暖化の問題などを自分ゴトとして捉えているのではないでしょうか。
●生き方価値観
ベース:自動車購入検討者(n=1680)EV/PHV車購入検討者は旅行やレジャーなどアクティブな趣味を好む。自動車に興味を持つのはガソリンエンジン車購入検討者
EV/PHV車購入検討者の趣味は、「国内旅行」と回答した人の割合が50.9%で自動車購入検討者よりも12.1ポイント高く、「海外旅行」は30.1%で11.9ポイント高いスコアでした。
ガソリンエンジン車購入検討者の趣味のデータは自動車購入検討者とあまり差がないものの、「ドライブ」と回答した人は26.2%で、EV/PHV車購入検討者よりも1.7ポイント高いスコアとなっています。
また、EV/PHV車購入検討者は興味関心の設問で「旅行・レジャー」、「外食・グルメ」と回答した人が多くいました。ガソリンエンジン車購入検討者は、「クルマ・バイク」と回答した人が20.0%で、自動車購入検討者よりも1.7ポイント高いスコアです。
EV/PHV車購入検討者は、旅行やレジャーなどを趣味にしてアクティブに行動していることが分かります。
一方で、趣味を「ドライブ」と回答した人の割合が自動車購入検討者、EV/PHV車購入検討者を上回り、「クルマ・バイク」への興味関心が高いという結果から自動車に興味があると分析できるのは、ガソリンエンジン車購入検討者でした。
●趣味
ベース:自動車購入検討者(n=1680)●興味関心のあること
ベース:自動車購入検討者(n=1680)EV/PHV車購入検討者が購入を検討している車種は「プリウスPHV」
それでは、EV/PHV車購入検討者、ガソリンエンジン車購入検討者は実際にどのような車種を検討しているのでしょうか。
「購入を検討している車種」を尋ねた結果、EV/PHV購入検討者は「プリウスPHV」と回答した人が54.2%、「リーフ」と回答した人が37.0%と圧倒的に高い割合を占めました。
「プリウスPHV」は、ハイブリッドカーと電気自動車両方の特性を持つトヨタのプラグインハイブリッド車で、「リーフ」は日産の電気自動車です。
このように、EV/PHV購入検討者は国内大手メーカーのEV/PHV車種に注目していることが分かります。
ガソリンエンジン車購入検討者は、「その他国産車」と回答した人の割合が4割以上を占めました。
●現在購入を検討している車種_01
ベース:自動車購入検討者(n=1680)●現在購入を検討している車種_02
ベース:自動車購入検討者(n=1680)EV/PHV購入検討者は国内・海外大手メーカー、ガソリンエンジン車購入検討者は「ダイハツ」など軽自動車を主力とする国内メーカーを好む
好きな自動車メーカー・ブランドの調査結果も合わせてご紹介します。
EV/PHV購入検討者はプリウスを生産している国内メーカー「トヨタ」が挙がりますが、 その他「BMW」、「レクサス」、「アルファロメオ」といった高級車のイメージがある海外メーカーが名を連ねました。
一方のガソリンエンジン車購入検討者は、「ダイハツ」、「スバル」、「スズキ」といった、軽自動車のシェアや技術力の高さを強みとしている国内メーカーが挙がっています。
●好きな自動車メーカー・ブランド
ベース:自動車購入検討者(n=1680)まとめ
今回は、自動車購入検討者全体とEV/PHV車購入検討者、ガソリンエンジン車購入検討者を比較分析した結果をお伝えしました。
分析結果から、EV/PHV車購入検討者はトレンドや流行に敏感で、新しいものを取り入れていく先駆者であることが分かります。
購入を検討する理由に、燃費のよさを挙げていますが、ランニングコストが抑えられるなどの実用的なメリットよりも、環境問題や先進的な技術に興味関心を持ち、エコカーに乗ることで他者評価を意識していることが窺えます。
一方のガソリンエンジン車購入検討者は、自動車そのものに興味関心を持つ人が多く、自動車購入を検討する上では、見た目やコスト面を重視していることが分かりました。
詳細はレポートに掲載していますので、無料ダウンロードしてご覧ください。
- メディア価値観
- 購買行動価値観
- 普段利用している情報サイト
- 購読しているビジネス誌・・・など
・・・など
調査概要及び抽出条件、詳細データは各レポート内に記載しています。
以下よりダウンロードしてご確認ください。