今後の活性化が見込まれる仮想通貨市場!現利用者・利用意向者層を比較分析
bdb 自主調査レポート

今後の活性化が見込まれる仮想通貨市場!現利用者・利用意向者層を比較分析

今後の活性化が見込まれる仮想通貨市場!現利用者・利用意向者層を比較分析

仮想通貨とは、インターネット上で不特定多数の間でサービスの対価に利用でき、専門の取引所を介して世界の通貨と交換できるデジタル通貨の一種です。日本でも認知が高まり、2016年10月に通貨として認められた後から利用者が急増しています。

そこで今回は、2017年6月に実施したブランドデータバンク第25期調査より、20~69歳の回答者(マクロミルモニタ)を抽出し、追跡調査として「金融サービスに関するアンケート」を行いました。(有効回収数:n=22846)

分析対象は、(1)仮想通貨興味者(n=623)、(2)仮想通貨利用者(n=765)、利用者の中でも利用開始時期を「1ヶ月以内」と回答した(3)新参層(n=162)、「1ヶ月以上~1年以内」と回答した(4)中堅層(n=430)、「1年以上前」と回答した(5)古参層(n=174)の5対象となります。
※本レポート内の、「仮想通貨利用者」は(3)~(5)の対象者を指します。

今後ますます活性化が見込まれる仮想通貨市場。
現利用者と利用意向者層の特徴を分析した上で、仮想通貨を利用する目的やきっかけ、今後の意向などを尋ねた結果をご紹介していきます。

TOPICS

仮想通貨の興味/利用者は未婚の若手男性会社員が多い。収入が高くお金に余裕があるグループ

仮想通貨興味者、仮想通貨利用者は、「会社員(正社員)」の割合が最も多く、男性の割合がおよそ7割を占めています。年代別でみると、一般全体と比較してどちらも20代、30代の割合が高く、およそ6割を占めます。平均年齢も一般全体が46.2歳なのに対し、仮想通貨興味者が37.7歳、仮想通貨利用者が38.3歳と低くなっています。

また、未婚率は仮想通貨興味者:56.3%、仮想通貨利用者:54.0%で、一般全体よりも10ポイント以上高い結果となりました。これらのことから、仮想通貨興味者、仮想通貨利用者ともに、未婚の男性会社員で構成されたグループであることが想定できます。

●未既婚

ベース:回答者全体
性別

続いて、お金周りのデータを見ていきます。

平均世帯年収は、一般全体の584万円に対し、仮想通貨興味者は+64万円、仮想通貨利用者は+88万円、有職者の平均個人年収は、一般全体の380万円と比較して、仮想通貨興味者は+33万円、仮想通貨利用者は+84万円でした。

どちらのグループも、一般全体よりも高収入であるという結果となりました。仮想通貨利用者の中でも、仮想通貨の利用歴が長い「古参層」は、世帯/個人年収ともに一般全体よりも100万円以上高く、特に年収が高い層であることが分かりました。

また、1ヶ月に自由に使える金額は、仮想通貨興味者、仮想通貨利用者ともに「5万円以上~10万円未満」が最も高く、一般全体よりも7ポイント以上高いスコアとなっています。仮想通貨利用者は、「10万円以上」の回答も、一般全体と比較して6.7ポイント高くなっています。

これらのことから、仮想通貨利用者、利用意向者層ともに、未婚で20代~30代の若手男性会社員で構成され、収入に余裕があり、自由に使えるお金を十分に持っているグループであると想定できます。

●1ヶ月に自由に使える金額

ベース:回答者全体
1ヶ月に自由に使える金額

仮想通貨興味者は趣味が幅広く買い物好き、仮想通貨利用者はギャンブル・ゲーム好き

では、彼らはどんな趣味を持っているのでしょうか。仮想通貨興味者、仮想通貨利用者、それぞれのグループごとに特徴が出ていますのでご紹介していきます。

仮想通貨興味者は、「お酒」、「携帯ゲーム」、「ショッピング」、「グルメ」などが挙がり、趣味が幅広い様子が窺えます。

一方の仮想通貨利用者は、「据置型ゲーム」、「携帯型ゲーム」、「インターネット」、「ギャンブル」などが挙がります。好きなゲームジャンルは、スポーツ、アクション、シュミレーションなどで、XboxOneやNintendo Switch等の最新ゲーム機を所有していることも調査結果から分かりました。

また、パチンコ、toto、スクラッチ、競馬など幅広いギャンブルを楽しみ、コンテンツに課金する割合が高いなど、ゲームや賭け事にお金を使って楽しんでいる様子が窺えます。

仮想通貨興味者、仮想通貨利用者、どちらのグループもゲーム好きな傾向が出ていますが、

仮想通貨興味者⇒お酒やグルメを楽しみ、ショッピング好きな幅広い趣味の人

仮想通貨利用者⇒ゲームに加えてギャンブル好きで趣味にお金をかける人

という特性が趣味のデータから見えてきました。

●趣味

ベース:回答者全体
趣味
趣味

仮想通貨興味者は、「はまるとのめり込む」タイプ。利用者新参層は「他者評価を重視」、中堅層は「トレンド好き」、古参層は「変化をためらわずに行動」。

価値観の設問から、それぞれのグループの特徴を分析しました。

仮想通貨興味者は、「ひとつのものを深く掘り下げて考えたり行動するのが好きだ」と回答した人の割合が一般全体と比較して15.7ポイント高いスコアとなりました。また、「自分は一度はまると結構のめり込むタイプだと思う」、「物事は完璧にやり遂げないと気が済まない方だ」などのスコアが高いことからも、慎重に見極めてから行動し、一つのことに熱中しやすいタイプであることが読み取れます。

続いて、仮想通貨利用者の特徴を新参層、中堅層、古参層のグループ別に見ていきましょう。

新参層は、「自分は考える前に行動するタイプだと思う」、「自分は相手に合わせることが多いタイプと思う」という回答が多くなっています。「ブランドものを持つのが好きだ」と回答した人の割合も高く、一般全体と比較して21.6ポイント高いスコアとなっています。 モノ選びは、自分で良いと思ったものよりもブランドや評判を重視する傾向があり、相手や周りを意識しがちな層であると言えます。

中堅層は、「流行やトレンドに敏感な方だ」、「国産よりも、海外のものに憧れる」、「先進性の高いものに惹かれる」などの項目に回答が集まりました。流行や先進性を取り入れ、周りとの違いを出したい傾向にあることが分かります。

古参層は、「他人が知らなくても、自分がいいと思うものを選びたいと思う」、「消耗品などは気に入ったものを繰り返し使い続ける」と回答した人の割合が一般全体と比較して5ポイント以上低いスコアとなっており、世間の認知を重視してモノ選びをして、消耗品は同じ商品をリピートすることは少ない傾向にあるようです。また、新商品の情報は欠かさずにチェックし、欲しい物が次々に出てくる彼らは、物欲が強く、変化をためらわず行動するタイプなのかもしれません。

●パーソナリティ価値観

ベース:回答者全体
パーソナリティ価値観
パーソナリティ価値観

仮想通貨の購入目的は、新参層が「長期保有の投資」、中堅層は「短期保有の投資」、古参層は「決済手段や海外送金」

ここからは、仮想通貨利用者に「仮想通貨を購入する目的」を尋ねた結果をご紹介します。

新参層は、「投資のため(長期保有)」と回答した人の割合が、64.3%で他グループよりも高い結果となりました。仮想通貨利用者全体と比較しても5ポイントほど高くなっています。

中堅層は、新参層同様に長期保有の投資の割合が高くなっていますが、「投資のため(短期保有)」と回答した人の割合が他グループに比べて最も多く、半数を超える結果となりました。

古参層は、投資ではなく、「決済手段のため」、「海外送金のため」と回答した人のスコアが他グループよりも高く、投資目的よりも現実的な金銭のやり取りの手段として購入していることが読み取れます。

各グループごとに、仮想通貨の購入目的に異なる特徴が表れる結果となりました。

●仮想通貨を購入する目的

ベース:仮想通貨利用者全体
メ仮想通貨を購入する目的

仮想通貨購入のきっかけは「興味があったから」。一年以上前から利用している古参層は「ビットコインで支払う機会があったから」が高スコア

さらに、仮想通貨利用者に「仮想通貨を購入するようになったきっかけ」も尋ねてみました。

すべてのグループにおいて最も回答者の割合が高かったのは、「仮想通貨に興味があったから」。仮想通貨利用者全体、新参層、中堅層の3グループでは、およそ7割の回答が集まりました。

また、「ビットコインが今後普及していくと思ったから」、「儲かると思ったから」という回答は中堅層が多くなりました。中堅層は、2018年1月の本調査実施時点で仮想通貨の利用開始時期を「1ヶ月以上~1年以内」と答えたグループです。2017年は、「仮想通貨元年」ともいわれており、大きな盛り上がりがあった中で仮想通貨を利用し始めた人たちだと想定できます。

また、古参層は「仮想通貨に興味があったから」と回答した人のスコアが他の層よりも低くなっていますが、「ビットコインで支払う機会があったから」は、仮想通貨利用者全体と比較して12.3ポイント高くなりました。価値観データでも、「お金は貯蓄するより投資するほうが有効だ」と回答した人の割合が特に高いスコアとなっている彼らは、仮想通貨の中でも主流なビットコインを一早く利用していたのでしょう。

●仮想通貨を購入するようになったきっかけ

ベース:仮想通貨利用者全体
仮想通貨を購入するようになったきっかけ

仮想通貨利用者全体の44.3%が「今後も仮想通貨を利用したい」と回答。古参層の2割は「利用したくない」

最後に、今後の仮想通貨の利用について尋ねました。 (ここでの「利用」は、保有や売買を指します)

仮想通貨利用者全体の44.3%が、「今後も仮想通貨を利用したい」と回答しました。

特にスコアが高かったのは中堅層で、仮想通貨利用者全体に対して+3.6ポイントでした。

一方で、「利用したくない」と回答した仮想通貨利用者は全体で1割未満にとどまりましたが、古参層の2割が今後の利用に難色を示しているようです。

●今後も仮想通貨を利用したいと思いますか?

ベース:仮想通貨利用者全体
今後も仮想通貨を利用したいと思いますか?

今後の仮想通貨の利用意向を自由回答で尋ねました。それぞれの回答から一部抜粋してご紹介します。

【今後も利用したい】

  • 少額から購入できる素人でもわかりやすい投資対象であるから。(利用したい:50代女性、利用歴:1年以内)
  • お金の価値観を変えるシステムだと思う銀行は信用ならないので。特に海外への決済に関しては非常に便利。(利用したい:40代男性、利用歴:1年以上)
  • まだ仮想通貨に関する国際的な法律も整っていないので、今後どうなっていくかわからないという点では投機的な投資になるかもしれないが、ブロックチェ-ン技術は画期的で将来的に使われる可能性は大いにあり、興味深いから。(利用したい:20代女性、利用歴:1年以内)
  • コインチェックでネムが580億不正流失されて一層金融庁の審査対象が厳しくなり、より安心した取引が構築されていくと期待されるから。(やや利用したい:50代女性、利用歴:1ヶ月以内)

【今後は利用したくない】

  • 現在の様な投機的相場では送金用決済手段としても保有するリスクが高まっているから。(あまり利用したくない:40代男性、利用歴:1年以上)
  • 相場が下がりそう。取引所の消費者保護のなさ。(あまり利用したくない:20代男性、利用歴:3ヶ月以内)
  • コインチェックのニュースで仮想通貨の取引所のセキュリティーの弱さを知ったから。(利用したくない:30代男性、利用歴:1年以内)
  • 仕組みがまだよくわからない。(利用したくない:30代女性、利用歴:1年以上)

まとめ

今回は仮想通貨興味者、仮想通貨利用者(新参層・中堅層・古参層)の人物像を比較分析した結果と、今後の仮想通貨に対しての利用意向をご紹介しました。

仮想通貨興味者、仮想通貨利用者はともに若年層で高収入の会社員男性が多く、未婚率が高いグループであることが分かりました。 仮想通貨の利用開始時期によって、流行や他者評価、慎重に物事を見極めるなどの特徴が見られました。

2018年1月、仮想通貨取引所を運営するコインチェックから、取り扱っている通貨の1つである「NEM」およそ580億円相当が、不正なアクセスによって外部に流出するというニュースがありました。この出来事は世間を騒がせたと同時に、報道によって仮想通貨の認知度も一気に向上しています。

今後の仮想通貨の利用意向については、決済への利便性や投資対象として興味深いという意見がある一方で、保有リスクやセキュリティーへの懸念の声も聞かれました。

仮想通貨は、インフラや仕組みの整備が必要な発展途上の市場といえます。しかし世界では現在も多額のお金が投資されており、日本でも経済成長や税収増加の観点から今後も市場の活性化が見込まれています。これらのことから、仮想通貨は投資対象として未知数の可能性を秘めているといえるのではないでしょうか。

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