Amazon・楽天ユーザーを比較分析!消費傾向や価値観の違いとは?
Amazon、楽天市場は、国内最大規模のネット通販ECサイトです。
多くのユーザーが利用している両サイトですが、Amazonは商品の出品型、楽天市場はショップの出店型と、ビジネスモデルに違いがあるようです。
そこで今回は、2017年6月に実施したブランドデータバンク第25期調査の回答者(マクロミルモニタ)から20~69歳の男女を抽出し、2017年10月にSCR調査「生活に関するアンケート」を実施。(有効回収数:18499ss)
その中から、現在、商品を最も購入しているサイトの設問で「Amazon」、「楽天市場」と回答したユーザーをそれぞれ、回答者全体と比較分析しました。
比較対象:回答者全体(n=18499ss)
分析対象(1):Amazonユーザー(n=5931ss)
分析対象(2):楽天ユーザー(n=6446ss)
それぞれのグループの属性や消費傾向や嗜好性、価値観の違いなどについてご紹介していきます。
Amazonユーザーは男性が約6割、楽天ユーザーは女性が5割強。20代が多いのはAmazonユーザー
まずは、Amazon・楽天ユーザーの属性データを見ていきます。
Amazonユーザーは、男性の割合が約6割を占めています。一方、楽天ユーザーは女性の割合が5割強と、それぞれのサービス利用者層の性別は特徴的な結果となりました。
●性別
ベース:回答者全体続いて、年代を見ていくとAmazonユーザー、楽天ユーザーともに回答者全体と比較して構成比に差はありませんでした。しかし、20代の割合を見るとAmazonユーザーが18.3%に対し、楽天ユーザーは9.9%と、8ポイント以上高くなっていました。
平均年齢、年代構成比で回答者全体と比較してさほど差はありませんでしたが、Amazonユーザーの方が若いユーザーが多い傾向にあるようです。
●年齢
ベース:回答者全体Amazonユーザーは「読書」「ゲーム」などインドアな趣味が多く、休日は自宅でのんびり過ごす傾向。楽天ユーザーの趣味は、「国内旅行」
まず、趣味や興味関心から分析できた特徴をご紹介します。
趣味の設問で、Amazonユーザーは、「インターネット」、「音楽鑑賞」と回答した人の割合が回答者全体と比較して5ポイント以上高くなっています。
また、その他のAmazonユーザーの趣味をスコアで見ていくと、「読書」、「携帯型ゲーム」、「据え置き型ゲーム」など、インドアなものが多く挙がっています。
楽天ユーザーは「国内旅行」と回答した人の割合が34.5%で、回答者全体よりも5ポイント高くなっています。その他、「海外旅行」、「ショッピング」、「グルメ」、「料理」などのスコアが高くなっており、女性の割合が多い楽天ユーザーは趣味からもその傾向が表れています。
●趣味
ベース:回答者全体興味関心のデータでは、Amazonユーザーは「PC・家電」、「インターネット」、「アニメ・漫画」、「ゲーム」の割合が高くなっています。インドアな項目が多く、外出を伴うものや人と一緒に楽しむものは挙がっていないことから、やや内向的なタイプであることが窺えます。
Amazonユーザーは、休日は自宅でのんびり、自分の好きなことをして過ごしているのでしょう。
楽天ユーザーは、ほとんど回答者全体と差が見られませんでしたが、「旅行・レジャー」と回答した人の割合が高くなっています。
興味関心のデータからも、旅行好きであることが分かりました。●興味関心のあること
ベース:回答者全体Amazonユーザーは商品の評判や口コミをチェック。楽天ユーザーはポイントを貯めてお得に活用している
購買行動に関する価値観を尋ねたところ、Amazonユーザーは「時間や手間がかからないオンライン販売や通販などは便利だと思う」、「商品の評判や口コミをチェックしてから買い物をすることが多い」の割合が高くなっています。
楽天ユーザーも、「時間や手間がかからないオンライン販売や通販などは便利だと思う」の割合が高くなりました。
また、「貯めたポイントは期限を調べ、使えるうちにまめに商品や特典と交換する」と6割が回答していて、回答者全体と比較して5ポイント以上高い結果となっています。
●購買行動価値観
ベース:回答者全体PCで普段利用している情報サイトは、Amazonユーザーからは「2ちゃんねる」、「Google ニュース」、「niconico動画」などが挙がっています。
2ちゃんねるやニコニコ動画は、興味関心の項目で挙がったアニメ・漫画のコンテンツも多く、日頃から趣味に精通するメディアをよく利用していることが分かります。
●【PC利用】普段利用している情報サイト
ベース:全体携帯電話で普段利用しているグルメサイト・料理サイト・旅行サイトは、Amazonユーザーからは「JAL」、「一休.com」、楽天ユーザーからは「楽天トラベル」、「楽天レシピ」、「JR東海ツアーズ」などが挙がりました。
●【スマホ・フィーチャーフォン利用】普段利用しているグルメサイト・料理サイト・旅行サイト
ベース:携帯電話所有者楽天ユーザーは、楽天ポイントが貯まるクーポンサイトや旅行サイトなどを積極的に活用していることから、比較的楽天市場へのロイヤリティが高く、自分が貯めたポイントでお得に買い物や旅行を楽しんでいることが分かります。
ネットを通じた他者とのコミュニケーションに積極的なAmazonユーザー、楽天ユーザーは自分に必要な情報だけ取り込む
続いて、情報収集に関するデータから特徴を見てみましょう。
モバイルからのメディア接触を尋ねたところ、Amazonユーザーは、「価格比較サイト・情報サイト」、「twitterなどのミニブログ」、「SNS」と回答した人の割合が回答者全体と比較してやや高い傾向にありました。ネット広告やメルマガよりも、自ら情報収集したり、人が発信する情報を信頼しているようです。
楽天ユーザーは、回答者全体と比較してもほとんど差は見られず、メディア接触度は全体的に低い傾向で、情報感度はそれほど高いグループではないようです。
●メディア価値観(モバイル)
ベース:回答者全体最も投稿しているSNSへの投稿数を見ても、Amazonユーザーはおよそ半数が「週1回以上投稿している」と回答しており、コンスタントに情報発信している傾向にあります。 一方の楽天ユーザーは、「それ以下の頻度」と回答した人の割合が約6割となっており、アカウントは所有しているが、自分で投稿する人は少ないようです。
●最も投稿しているSNSへの投稿数
ベース:自身でアカウントを所有し投稿するSNS・ブログ・コミュニケーションアプリ(PCまたは携帯電話)を回答した人PCで普段利用しているSNS・ブログ・コミュニケーションアプリにおいては、Amazonユーザーからは他者の行動や意見が書き込まれたメディアが多く挙がっています。
「Twitter」の他、本音投稿サイトの「ぐちったー」、画像や動画を投稿する「Instagram」や「Pinterest」、チャット形式でコメントが書き込める「Beluga」などです。
楽天ユーザーは、「楽天ブログ」、「gooブログ」が挙がっています。
●【PC利用】普段利用しているSNS・ブログ・コミュニケーションアプリ
ベース:回答者全体これらのデータから、Amazonユーザーは顔が見えないインターネットやSNSを活用して、他者との接触やコミュニケーションを取りながら情報を得ていることが分かります。
一方、楽天ユーザーはメディアへの関心は薄いものの、前述しているデータの「グルーポン」、「Racoupon(ラ・クーポン) 」などクーポンサイトを積極的に活用している点や、興味のあるブログなどはチェックするという傾向から、自分に必要な情報だけを取り込み、他人の動向や世間の流行に左右されることなくモノ選びを行っているのかもしれません。
コストパフォーマンスを意識するAmazonユーザーと、品質面やブランドへの信頼性が重要な楽天ユーザー
さらに、ファッション関連の購入商品の違いやブランドの嗜好性にもAmazonユーザー、楽天ユーザー、それぞれに特徴が表れています。
「持っているお気に入りの服」を尋ねたところ、Amazonユーザーの男性は「UNIQLO」、「GAP」、女性は「しまむら」、「ZARA」、「無印良品」など、リーズナブルな価格でトレンドを取り入れることのできるファストファッションブランドが挙がっています。
お気に入りのバッグは男性が「THE NORTH FACE」、女性は「LONGCHANP(ロンシャン)」と、収納力があって丈夫なブランドが挙がりました。
Amazonユーザーは、コストパフォーマンスや機能性を重視してファッションアイテムを選んでいるようです。
一方、楽天ユーザーの持っているお気に入りの服は、男性が「POLO RALPH LAUREN」、「THE NORTH FACE」「Brooks Brothers(ブルックスブラザーズ)」が挙がり、女性は「BEAMS」、「INDIVI」と、年齢相応できちんと着こなせるブランドが揃いました。
お気に入りのバッグは、男性が「TUMI(トゥミ)」「DUNHILL(ダンヒル)」、女性は「FENDI(フェンディ)」、「SAZABY」とビジネスシーンでも活用できるものやハイブランドが挙がっています。
楽天ユーザーは男女ともに、品質に定評があり、ブランド力のあるファッションアイテムを愛用していることが分かります。
●持っていてお気に入りの服/男性
ベース:男性全体●持っていてお気に入りの服/女性
ベース:女性全体●持っていてお気に入りのバッグ/男性
ベース:男性全体●持っていてお気に入りのバッグ/女性
ベース:女性全体まとめ
今回の分析結果から、Amazonユーザーと楽天ユーザーそれぞれの特徴がいくつか見えてきました。
◆Amazonユーザー
- コストパフォーマンスを意識しつつ、機能性を重視したものを好む傾向
- 趣味や興味関心はインターネットやゲームなどのコンテンツ系が多く、そのための情報収集も欠かさず行っている
- やや内向的なタイプで、他者とのコミュニケーションはインターネットメディアを通じて取っている
◆楽天ユーザー
- 品質の良いものやブランド力の高いものを好む傾向
- 楽天サービスを駆使してポイントをお得に貯めて、海外旅行やグルメ、ショッピングを楽しむ
- 情報感度は低めで、モノ選びの基準は自分基準、流行や他者の動向に左右されないタイプ
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